--- title: "5. 申請から採択まで" book: 科研費獲得の方法とコツ 第9版 chapter: 第1章 科研費の概略 pages: 47-50 images: page_0047.png ~ page_0050.png --- # 5. 申請から採択まで 例年の科研費の申請から採択までのタイムスケジュールをまとめておこう(図1-6)。 ## 公募の開始と準備 令和8(2026)年度公募では、特別推進研究と基盤研究(S)は令和7年4月11日から公募開始、6月17日に公募締め切り。基盤研究(A、B、C)、若手研究、挑戦的研究、奨励研究では令和7年7月14日に公募開始、9月17日に公募締め切りの予定である。以前よりも公募時期が早くなったとともに、審査結果の発表も早くなり、特別推進研究では令和7年1月上旬、基盤研究(S)は2月中旬、基盤研究(A、B、C)と若手研究は2月末に、奨励研究は1月上旬に発表されている。これはあくまでも「審査結果」の発表であり、「交付内定」とは異なる。交付内定は新年度になってからで、基盤研究(A、B、C)と若手研究と奨励研究では4月上旬である。挑戦的研究は審査結果の通知と交付内定が6月下旬に予定されている。 また、初めて科研費に申請しようとするときには、それまでに所属研究機関を通じて**e-Rad**に登録しておかなければならない。e-Radとは「府省共通研究開発管理システム」のことで、research and development(研究開発)の頭文字に、electronic(電子)の頭文字を冠したものである。これだけだとなんのことかわかりにくいが、ある研究者がどの研究費をいくらもらっているかをまとめて管理して、研究費の「不合理な重複」や「過度の集中」をなくそうというものだ。e-Radに登録した際にもらえるID・パスワードは電子申請のときに必要になるので、必ずメモしておこう〔参照 1章1:科研費とは?、4章3:電子申請の実際〕。 ### 図1-6に含まれる主なスケジュール | 種目 | 公募時期 | 審査方式 | 結果通知 | 交付内定 | |---|---|---|---|---| | 特別推進研究 | 4月公募 | 書面審査/合議審査/ヒアリング | 1月上旬 | 交付申請後 | | 基盤研究(S) | 4月公募 | 書面審査/合議審査/ヒアリング | 2月中旬 | 交付申請後 | | 基盤研究(A) | 7月公募 | 書面審査/合議審査 | ― | 交付申請後 | | 基盤研究(B・C)、若手研究 | 7月公募 | 2段階書面審査 | 2月末 | 4月上旬 | | 奨励研究 | 7月公募 | 書面審査 | 1月上旬 | 4月上旬 | | 挑戦的研究(開拓・萌芽) | 7月公募 | 開拓:事前の選考/書面審査/合議審査、萌芽:事前の選考/2段階書面審査 | 6月下旬 | 6月下旬 | | 研究活動スタート支援 | 公募 | 書面審査 | ― | ― | | 学術変革領域研究(A) | ― | 書面審査/合議審査/ヒアリング | ― | ― | | 学術変革領域研究(B) | ― | 事前の選考/書面審査/合議審査 | ― | ― | ※初めて科研費に応募する者は、申請書を提出するまでにe-Radの登録を済ませておく必要がある。日本学術振興会科学研究費助成事業ホームページ「科研費スケジュール」をもとに作成。常に最新の情報をチェックすること。 ## 申請書の締め切り 研究代表者は作成した申請書を科研費電子申請システムから所属する研究機関に提出(送信)し、研究機関を通じて日本学術振興会と文部科学省(学術変革領域研究の場合)に提出(送信)する〔参照 4章3:電子申請の実際〕。前述したように申請書の提出期限は、公募開始から約2カ月後の受付締め切りになっているが、実際には機関内での締め切り日がそれよりも早く設定されている。これは研究機関内での事務手続きの関係によるものだ。ちなみに私の所属する大学では例年、日本学術振興会と文部科学省の締め切り日よりも2週間ぐらい早めの締め切りになっている。最終的に応募締め切りの2〜3日前までに、研究機関から日本学術振興会と文部科学省に提出(送信)して応募完了となる。 しかし、もし提出した申請書の訂正などがある場合は、研究機関から日本学術振興会へ提出(送信)した後でも、日本学術振興会側の受付締め切り前(つまり応募期間内)であれば、応募書類を引き戻し、修正して再提出することが可能である。「引き戻し」は研究者個人ではなく、研究機関の担当者に頼んで手続きしてもらう必要がある。「引き戻し」を行った場合も応募締め切り日までに余裕を持って修正して提出(送信)しよう。 ## 第1段審査/第2段審査のスケジュール 9月中旬に提出された申請書は第1段審査のために、11月ごろに審査委員のもとに送られてくる。審査資料が電子化されている種目以外は、応募の種目ごとに分厚い冊子になってまとめられている。令和7年度の応募において審査資料が電子化されているのは「特別推進研究」「基盤研究(S)」「研究活動スタート支援」「国際共同研究強化」「帰国発展研究」である。 基盤研究(B、C)や若手研究では、12月中旬までの第1段審査、1月下旬までの第2段審査を経て、2月下旬には審査結果が通知される。挑戦的研究(開拓・萌芽)では、11月から5月までの審査を経て、6月下旬に「審査結果」が通知される。 日本学術振興会から科研費の「審査結果の通知」について発表があれば、申請者個人は、科研費電子申請システムを調べると審査結果がすぐにわかる。科研費電子申請システムにIDとパスワードでログインして、「審査結果を閲覧する」のところを開くと、審査結果が表示される〔参照 5章1:採択されたとき〕。 また、審査結果の連絡は、所属機関宛にまとめてくる。所属機関からの連絡がないときは、残念ながら採択されなかったときだ。 ## 交付決定 交付内定をもらった人は、簡単な交付申請書を提出して、6月ごろに正式に交付決定となる。採択されなかった人には、審査結果が電子開示されて、自分がどのくらいの評価だったのかがわかる。 7月中旬の公募開始から採択・不採択の結果連絡のある2月下旬まで、約7カ月間の研究者にとっての恒例行事である。 > **申請の期間** > 科研費の主な種目の公募期間は7月中旬から9月初旬まで。