--- title: "3. 審査区分の種類" book: 科研費獲得の方法とコツ 第9版 chapter: 第1章 科研費の概略 pages: 37-39 images: page_0037.png ~ page_0039.png --- # 3. 審査区分の種類 科研費は応募者自らが研究課題にもっとも相応しい審査区分を選んで応募し、その審査区分において審査される。後述するように審査区分は応募種目によって異なり、**小区分、中区分、大区分**の3つの区分からなる。審査区分の選択は科研費の採択にとても重要なので、どのような審査区分があって、その区分が対象としている研究内容は何か、よく調べておく必要がある。 ## 審査区分表の見直し 科研費の公募では、応募者が「審査区分表」から選択した区分において審査される。この「審査区分表」はおおむね5年ごとに見直しが行われることになっている。従来の「応募分野」が「審査区分」として再編成されたのは平成30(2018)年度からなので、令和5年度はその見直しの時期にあたり、令和4年3月に「審査区分表」が変更された。新しい「審査区分表」は令和5(2023)年度の科研費の応募から適用されている。 この改正のポイントは、 - 小区分の「内容の例」の見直し(区分の分け方には変更はない、つまり区分の数に変更はない) - 「基盤研究(B)」において、著しく応募件数の少ない一部の小区分について、複数の小区分での合同審査を実施すること である。 ## 審査区分の調べ方 審査区分の一覧表は、日本学術振興会の科研費に関するページでダウンロードできる(科学研究費助成事業ホームページのサイドバー → 「審査・評価関係」 → 「審査区分表等」や、公募要領のなか)(図1-3、図1-4)。審査区分の一覧表を手がかりに、自分の申請内容に最も適した応募先はどこなのか検討する。 > **図1-3のデータ:** > 審査区分は階層構造をもつ。複数の小区分が集まって中区分を形成し、複数の中区分が集まって大区分を形成する。応募者は最もふさわしいと思う区分に応募する。 > > 例:大区分I内の構造 > - 中区分47:薬学およびその関連分野 > - 47010 薬系化学および創薬科学関連 > - 47020 薬系分析および物理化学関連 > - 47030 薬系衛生および生物化学関連 > - 47040 薬理学関連 > - 47050 環境および天然医薬資源学関連 > - 47060 医療薬学関連 > - 中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野 > - 48010 解剖学関連 > - 48020 生理学関連 > - 48030 薬理学関連 > - 48040 医化学関連 > - 中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野 > - 49010 病態医化学関連 > - 49020 人体病理学関連 > - 49030 実験病理学関連 > - 中区分50:腫瘍学およびその関連分野 > - 50010 腫瘍生物学関連 > - 50020 腫瘍診断および治療学関連 > - 中区分51:ブレインサイエンスおよびその関連分野 > - 51010 基盤脳科学関連 > - 51020 認知脳科学関連 > - 51030 病態神経科学関連 > - 中区分52:内科学一般およびその関連分野 > - 52010 内科学一般関連 > - 52020 神経内科学関連 > - 52030 精神神経科学関連 > - 52040 放射線科学関連 > - 52050 胎児医学および小児成育学関連 > - 中区分53:器官システム内科学およびその関連分野 > - 53010 消化器内科学関連 > **図1-4のデータ:** > 各小区分には「内容の例」が付記されている。 > > | 小区分 | 内容の例 | 対応する中区分 | 大区分 | > |--------|---------|-------------|--------| > | 54020(膠原病およびアレルギー内科学関連) | 膠原病学、アレルギー学、臨床免疫学、炎症学、など | 54 | I | > | 54030(感染症内科学関連) | 感染症診断学、感染症治療学、生体防御学、国際感染症学、など | 54 | I | > | 54040(代謝および内分泌学関連) | エネルギー代謝、糖代謝、脂質代謝、プリン代謝、骨代謝、電解質代謝、内分泌学、神経内分泌学、生殖内分泌学、など | 54 | I | > | 55010(外科学一般および小児外科学関連) | 外科総論、乳腺外科、内分泌外科、小児外科、移植、人工臓器、再生、手術支援、など | 55 | I | > | 55020(消化器外科学関連) | 上部消化管外科、下部消化管外科、肝臓外科、胆道外科、膵臓外科、など | 55 | I | > | 55030(心臓血管外科学関連) | 冠動脈外科、弁膜疾患外科、心筋疾患外科、大血管外科、脈管外科、先天性心疾患、など | 55 | I | > | 55040(呼吸器外科学関連) | 肺外科、縦隔外科、胸壁外科、気道外科、など | 55 | I | ## KAKENデータベースの活用 またKAKEN(科学研究費助成事業データベース)(https://kaken.nii.ac.jp/)の検索によって過去の採択課題を調べ、応募に適した審査区分を選ぶ方法もよい。ただし、このデータベースには、平成30年度以降の公募で使用されている「審査区分」、平成29年度以前の公募で使用されていた「研究分野」の両方が登録されている。そのため、平成29年度以前のデータを活用するには、現在の審査区分に対応する従来の研究分野で検索する必要がある。また自分の研究課題のキーワードで検索して、近い研究テーマがどの研究分野で採択されているかがわかるので、その情報をもとに審査区分を検討できる。 ただし**研究活動スタート支援だけは審査区分が別のもの**(詳しくは公募要領の「研究活動スタート支援」審査区分を参照)なので注意が必要だ。 ## 将来の審査区分の再編 なお、将来的には区分の再編が行われて、より少ない区分数になるということが発表されている。自身の研究分野以外の審査委員も加わることになるので、異なる分野の審査委員にも理解してもらえるような申請書を作成することが、より必要になることだろう。