5人分の人間のイラストについては、生成AIでベースを作成し、色や形状 を修正したうえで使用しました。AIで生成した要素を研究概要図に素材と して挿入すれば、素材を探す手間が小さくなるかもしれません。統一した 画風で生成してくれるAIなどもありますので、いくつかのサービスを使い 分けてもいいでしょう。 科学的な説明図を描く場合にも、AIが出力した画像に修正を加えられる ならば、科学的に正しい図を作成しやすくなります。例えばAdobe Illus- trator の生成AI機能では、編集可能なベクター形式でイラストを生成して くれますので、色を変更したり、形を修正したりして、科学的に正しい表 現に仕上げることはできます。はじめから自分で描いた方が速いこともあ りますが、場合によっては利用ができると思います。 さらに図案のアイデア出しでもAIは活用できます。この用途であれば画 像生成AIだけでなく、対話型AIも使えます。ターゲットにはどのように説 明したらわかりやすいのか、どんな比喩のしかたがあるのかなど、対話型 AIに相談相手になってもらったり、画像生成AIにレイアウトや表現の案を 出してもらったりすることが可能です。ほかにも、Adobe Illustratorの 生成再配色という機能などを使えば、配色案を出してもらうことも可能で す。人間が考えるべき部分は残りますが、アイデアを広げたり、第三者目 線で意見をもらったり、作業を迅速化したりする際には、AIは有用なツー ルです。 画像生成 AIの実用性は今後ますます高まっていくと考えられます。画像 生成ができるサービスとしては、このコラムの執筆時点では、Midjourney やStable Diffusion、Adobe Fireflyなどの画像生成に特 でなく ChatGPT、 Copilot、 Geminiなどの対話型AIでも、こんな図 描いてほしいとリクエストすれば画像が生成できるようになってきていま す。さらに、登録しなくてもブラウザ上で無料ですぐに使えるサービスも 多いです。AIへの情報入力の際の機密情報漏洩のリスクや、生成された画 像による著作権侵害のリスクには注意する必要がありますが、まずは身近 198 申請書・論文で役立つグラフィカルアブストラクト作成の基本とコツ