COLUMN ⑦ 画像生成 AIの活用方法 近年、生成AIが劇的に発展しています。そのなかで画像生成AIも普及し つつあります。よく聞かれるのは、科学的な図に画像生成AIは使えるのか ということです。画像生成AIは発展が著しいので状況がすぐに変わるかも しれませんが、執筆時の筆者の見解をここで書いておきたいと思います。 画像生成AIとは、完成形のイメージを文字や簡単なラフ図案を入力する だけで、そこからイメージできる画像を自動的に生成できるサービスやソ フトウェアのことです。例えば「人間、寝る、写真」などのテキストを入 力すると、写真のようにリアルな人間が寝ている画像をつくり出してくれ ます。もちろん、このテキストから想像できる表現は1つではありません。 違うタイプのAIであれば違う構図の画像をつくる可能性がありますし、同 じAIでも複数種類の図を提案したり、生成するたびに違う内容や画風の画 像を出力したりすることもあります。 画像生成AIは科学的な図に制作には使えるのでしょうか。筆者は、「使う のが難しい場合もあるし、使える場合もある」と考えています。使えない 場合と使える場合それぞれについて、考えてみましょう。 まずは使うのが難しい場合です。科学的なイラストは、構造や関係性を 科学的に正しく表現する必要があります。正しさの要求レベルはその図の 利用条件によりますが、少なくとも生成AIが左巻きのDNAや8本足の昆 虫のイラストを出力してきたら、気軽に論文には使いにくいと思います。現 状のAIは科学的な正しさを判断する機能はないため、学習に使った画像に 誤りが含まれている場合や本来見分けるべき情報を見分けずに学習した場 合は、誤った表現を出力してしまう可能性があります。また、科学的な知 識は常に更新されているので、正しいとされてきた既存の図を書き換えな くてはいけないこともあります。AIは既存の図を学習して図を出力するた め、新しい知識に対応した図を自動で生成することはできません。正しい イラストを出力するためには結局、事細かにラフ案やテキストで指示を出 196 申請書・論文で役立つグラフィカルアブストラクト作成の基本とコツ