また、プロのイラストレーターに依頼した図についても、著作権譲渡契 約をしない限り、著作権は制作したイラストレーターがもっています。こ のため契約時に伝えた条件や用途以外で図を使ってしまうと、違反してい る状態になります。例えばプレスリリース用の図をイラストレーターに制 作してもらうという場合、プレスリリース後に学会発表や広報でも使いた いと考えているのなら、契約時にほかの用途でも二次利用したいというこ とを伝える必要があります。制作してもらった図を後で改変して使いたい という場合もイラストレーターから許諾を得る必要があります。図の利用 が1回のみか、複数回なのかについて料金を変えているイラストレーター もいますので、最初に提示していない条件で使う場合は必ず相談し、必要 があれば追加料金を支払うようにしてください。 ジャーナルに図を提出する場合にも著作権規定を確認する必要がありま す。論文に記載された図やグラフィカルアブストラクトの著作権がどうな るのかはジャーナルによって異なります。図を制作した著作権者が保持す る場合もあれば、ジャーナルに著作権を譲渡しなければならない場合もあ ります。ジャーナルに著作権を譲渡した場合はたとえ自分が作成した図で あっても勝手に他の雑誌などに転載することはできません。図を二次利用 したいという場合は必ず著作権規定を確認し、必要に応じて許諾申請をす るようにしてください。出版社によってはオンラインフォームで許諾申請 ができる場合や、二次利用の用途によっては無料で許諾してくれる場合も あります。 最近はパブリックドメインやクリエイティブ・コモンズという言葉を聞 いたことがある方も多いかもしれません。著作権にかかわる参考情報とし て知っておいた方がいい概念ですので、簡単にご紹介いたします。 2023年、ウォルト・ディズニーによる初代ミッキーマウスの著作権が切 れ、パブリックドメインになったことがニュースで話題になりました。著 作権には一定の保護期間があり、その期間が過ぎると著作権が消滅します。 日本では原則として著作者の死後70年、無名・変名の著作物や団体名義の 153