第5章●図の見た目を理する:理解を促すビジュアルデザイン 6完成前の最終チェック 1本文と食い違いがないかチェックする 視覚的な整理が終わり、研究概要図が完成したと思ったら、研究概要図 を掲載する書類の本文(申請書や論文、プレスリリースの本文など)と内 容や表記に食い違いがないかを確認するようにしてください。 筆者はこれまで、研究概要図の添削などで、申請書の内容と対応してい ない研究概要図を大量に見てきました。申請書では3ステップと記載して いるのに研究概要図では4ステップで描かれていたり、キーワードが申請 書本文と研究概要図で違う表記になっていたり、社会に与える影響が本文 と研究概要図で異なっていたりと、さまざまな不一致があります。食い違 いが生じる理由としては、申請書を書く段階ではまだアイデアが固まって おらず、途中で用語や内容を変更してしまったという場合や、共同研究者 とともに分担して執筆した結果、人によって書き方が変わってしまったと いう場合などがあると思います。また、プレスリリースの研究概要図の場 合でも、論文の翻訳のしかたが本文と研究概要図で食い違っていることが あります。例えば本文ではカタカナ表記なのに研究概要図では漢字表記や 英語表記になっている場合などがあります。 研究概要図は本文と同じ主張をすることで理解を促し、強く印象に残り ます。逆に研究概要図と本文の内容がずれている場合には、理解を阻害し てしまうことや、「雑につくられている」という印象を与えてしまうことが あります。本文・研究概要図両方が完成した後には、必ず内容や用語に食 い違いがないかをチェックするようにしてください。 148 申請書・論文で役立つグラフィカルアブストラクト作成の基本とコツ