第5章●図の見た目を理する:理解を促すビジュアルデザイン 5 表現をわかりやすく 鏊える 1矢印を整える 矢印は、時間変化や因果関係などさまざまな意味を担えるため便利な表 現です。概念図といえば矢印と思えるほど、利用する人は多いと思います。 ただ、矢印は想像以上に多くの意味を担うことができるため、見た人が矢 印の意味を誤解するリスクがあります(図5-29)。例えば「しかし」とい う意味で使った矢印を、読み手が「それゆえに」の意味で捉えてしまうと、 図の結論を読み違えてしまうかもしれません。次の段階に進むことを示す 経過の矢印などは誤解なく読み取りやすいですが、一般的にあまり使われ ない意味を担わせる場合や、1つの図内に多数の意味の矢印を使う場合は、 矢印のそばに「影響」「対立」などの文字を添えたほうがわかりやすくなり ます。 また、分野によってもよく使う矢印の意味は異なることがあります。例 えば分子生物学などの研究者は、先端がT字状の矢印を「抑制」の意味で •=→ A→B ●二〇 C 経過 移動・軌跡 time 軸 指示 図5-29 矢印の意味の種類 因果 ↑A ↓B 増減 作用・影響 4● 対立 but 集約 接続詞 136 申請書・論文で役立つグラフィカルアブストラクト作成の基本とコツ