第5章●図の見た目を理する:理解を促すビジュアルデザイン 4 効果的に伝わる カラー戦略 1色の役割とは 色遣いは、研究者が図をつくる際に最も「センスがない」と感じがちな ポイントです。色という概念は複雑なため、どう選ぶのかは実際問題とし て難しい作業です。にもかかわらず、何の指針もなく気分だけで色を選ん でしまうと、本当に「センスのない」配色になってしまう可能性があります。 そもそも色はなぜ使うのでしょうか。色は単に見た目をよくするだけの ものではありません。情報の意味をわかりやすく伝えるうえでも重要な要 素です。色にはさまざまな機能がありますが、研究概要図の場合、色は主 に次のような意図で利用する場合があります。 ①見やすくするため (図5-19①) 色によって、見やすさや読みやすさが変わります。例えば白い背景色の 上に、淡い黄色で文字を載せても、薄くて見にくく、思わず目を細めてし まいます。色覚の認知には多様性があるため、人によって見にくい色の組 み合わせもあります。どんなに表現の工夫をしても、そもそも文字や要素 ①見やすくするため ②情報整理のため イメージを伝えるため Aグループ ④美しさのため 文字が見える Graphical Abstract 文字が見える 図5-19色の主な役割 熱湯 冷水 Bグループ 4.効果的に伝わるカラー戦略125