3 シティという言葉を知らない人に「ダイバーシティが重要」という結論を 示しても理解してもらえませんが、「さまざまな性別や宗教の人を受け入れ るダイバーシティが重要」と書くと、文脈からある程度意味が予想できる ようになります。前後の文脈で理解してもらうという方法は、文章以外の 方法でも実践することができます。「ダイバーシティが重要」という例であ れば、その言葉のすぐそばにさまざまな見た目・職業の人のイラストを入 れることで、意味が予想しやすくなります。ほかにも、細胞膜に埋め込ま れた楕円の図の中に「DAT」などの略語が書いてあれば、その単語を知ら なくても、生命科学系の人であればそれが膜タンパク質の一種であること は比較的すぐに予想ができます。 説明不足に気づくには 情報不足の難しさは、なかなか研究者本人が気づくのが難しいというこ とにあります。研究者は自分の図を無意識に自分の知識で補足しながら見 てしまうため、説明不足があっても気づくことができません。足りない情 報は、研究者にとっては当たり前すぎて意識できない情報であることも多 いです。気づくためのポイントは、ターゲットの目線・知識量でみたとき に理解ができるかどうかということです。ラフ案ができたら、その説明に 対して足りない情報がないかを必ずターゲットの目線になって検討するよ うにしてください。ただし、それでも気づかないことも多いため、可能で あれば第三者に見てもらって意見をもらうのがよいと思います。見てもら う第三者は、可能であればターゲットと同じくらいの専門性をもった方が 望ましいですが、難しい場合は近い分野の方でも構いません。 100 申請書・論文で役立つグラフィカルアブストラクト作成の基本とコツ