第4章●図の中身を理する:ラフ案のブラッシュアップ 3 情報量の適正化:詰め 込みすぎた図への対処法 1適切な情報量とは 研究者は概して、情報を盛り込みたがる傾向があります。専門知識を大 量にもっているので、知っていることを図に入れたくなってしまうのでしょ う。その結果、伝えたいことが多すぎて結局読み手の印象に何も残らない ということが起きてしまいます。第2章-5でメッセージを考えてもらったの は、1つの図に対してメッセージを1つに絞りこむことで、情報の盛り込み すぎを防ぐためでもあります。 当たり前ですが、図に掲載できる情報量は、無限ではありません。デジ タルで図を作成すると制作過程で拡大や縮小ができるため、拡大して作業 してしまい、ついつい情報を盛り込んでしまいがちです。しかしもとのサ イズに戻すと、解像度や人間の認知の限界により情報が受け取れないこと があります。 情報は少なければ少ないほど、見る側の負担が減ります。負担が少ない 図の方が、シンプルでわかりやすく、図の内容を理解するモチベーション も高まります。情報量の基本原則は、第2章-5で考えたメッセージを伝える ための必要最小限の情報で図を表現することです。 ただ、どこまで掲載していいのか迷うということもあるかもしれません。 そういうときは図の適切な情報量を判断し、その量に収まるように情報量 を調整します。図の適切な情報量は次のような条件によって決まります。 ①ターゲットによる違い ターゲットによって入れるべき情報量は変わります。ターゲットの研究 3.情報量の適正化:詰め込みすぎた図への対処法 87