4 ビジュアライズでの注意 注意したいのは、表現の具体性は高ければ高いほどよいとは限らないこ とです。例えば写真は情報量が多すぎて見るべきポイントがわかりづらい 場合があります。また、イラストが加わることで図の視覚的な情報量が増 えてしまい、図全体が煩雑になることもあります。さらに、ピクチャは文 字よりも目を引き付けやすいため、あまり重要ではない部分をピクチャで 表現してしまうと、そこに気を取られて重要部分が頭に入りにくくなる可 能性もあります。 一方で、適度な具体性があれば、直感的な理解を助け、アイキャッチと しての力も高めることが可能です。文字と図形のみの図だと、どんなテー マや内容であってばっと見の見た目が似てしまうため、ブラウジングして いる人の関心を引く力はあまり高くありません。SNSやプレスリリースな ど、読む必然性が低い人の関心を引きたいときは、ピクトグラムやイラス トなどを活用したほうがよいでしょう。逆に、申請書の図は審査員が申請 書を理解するための図なので、アイキャッチはあまり必要ありません。形 状にかかわる説明がなく、図の情報内容自体の抽象性が高い場合は、抽象 的な図解でも十分かもしれません。 ピクチャを入れる場所としては、構造や形の説明など文字だけではよく わからない箇所、具体的なイメージをもちにくい箇所、特に見てほしい重 要箇所や覚えてほしい箇所、文字が連続してしまう箇所などが候補です。文 字だけではよくわからない箇所や具体的なイメージをもちにくい箇所には、 理解のためにイラストなどがあった方がいいですが、その他については条 件に応じて入れるかどうかを判断します。特に図のサイズが小さい、ある いは図の情報量が多い場合には、多くのピクチャを入れると煩雑になりや すいため、掲載する数を絞るようにしてください。 なお、図の中のピクチャ形式の要素が、既存の素材にないためなかなか 揃わず、挿入したいけどできないという場合もあるかもしれません。図の 要素の探し方は第5章-5や COLUMNでお話ししますが、どうしても見つから ない場合は自分で描くか、うまく出力できそうなら生成AIに描かせること 82 申請書・論文で役立つグラフィカルアブストラクト作成の基本とコツ