わかるようになりましたが、新しい方法がどんなものなのか全くイメージ がわきません。では、「細胞表面の動態を生きたまま立体的に観察するた め、の原理と〇〇法を組み合わせた新たな画像解析法を開発する」は どうでしょうか。「の原理」「〇〇法」などのキーワードや「細胞表面 の動態を生きたまま立体的に観察」というゴールが入り、研究の価値がわ かるようになりました。この研究でしかいえないメッセージになったので はないかと思います。 3 メッセージには研究概要とその価値の両方 を込める 注意したいのは、メッセージは図に掲載したい情報の羅列ではないとい うことです。メッセージは相手の記憶に残ってほしいフレーズなので、イ ンパクトがないと心にひっかかってくれません。インパクトを与えるには ターゲットが共感できる価値が必要です。 例えば「ゲノム解析を治療に応用するプロジェクトを提案します」とい うメッセージは、意味はわかりますが、それ以上のことは感じません。同 じ研究でも「患者のゲノムに最適な治療を選択することで、どの患者にとっ ても高い治療効果をもたらす医療実践を行います」というメッセージであ れば、社会的にどんな価値があるのかがより理解しやすくなります。 グラフィカルアブストラクトの場合であれば、例えば「〇〇遺伝子が細 胞増殖に影響することを明らかにした」というメッセージだと、〇〇遺伝 子を知らない研究者や細胞増殖にかかわっていない研究者は「ふーん」と しか思わないかもしれません。そうではなく「マウスの〇〇遺伝子は初期 発生段階の細胞増殖を制御し、その後の胚形成に影響を及ぼすことが明ら かになった」という語り方であれば、学術的なインパクトが先のメッセー ジよりも明確になり、より幅広いターゲットが興味をもつ可能性があります。 このように、メッセージに研究概要とともに研究の価値がわかる情報を 入れることで、よりインパクトのある研究概要図をつくることができるよ うになります。これ以降の制作作業で、メッセージが伝わるようにするた 5.研究の価値を伝えるメッセージをつくる43