第2章●図の質は準備で決まる:コミュニケーション戦略の設計 5 研究の価値を伝える メッセージをつくる 1研究概要図で伝えたいメッセージを考える さあ、ここまででアピールしたい価値がみえてきました。アピールした い価値が決まったら、研究概要図で伝えたい内容を言葉によるメッセージ に立ち上げていきます。メッセージとは、研究概要図を見た後に相手の記 憶に残ってほしいフレーズのことで、英語では Take Home Message いいます。ブレゼンのデザインなどにおいては、よく「1スライド1メッ セージ」という言葉を耳にしますが、研究概要図も同じです。研究概要図 のインパクトを高めるには、1つの研究概要図に1つのメッセージに絞るこ とが重要です。 メッセージは研究概要図で最も伝えたいことであり、1つの研究概要図の 中に描かれたすべての情報や要素は、このメッセージに納得してもらうた めの道具であると考えてください。研究概要図に明確なメッセージがない 場合や、逆にメッセージが多すぎる場合は、「で、結局何がいいたいの?」 と思われてしまう可能性があります。 研究概要図をつくりはじめる前にメッセージを考える理由は、図を通じ て何を伝えたいのかブレないようにするためです。研究概要図をつくって いると、あれこれ考えている過程で脳が活性化してきて、「あの情報も関係 する」とどんどんと情報を盛り込みたくなることがあります。研究者は特 に、自分の研究に対して大量の知識をもっているため、知っていることを どんどんと追加してしまう傾向があります。しかしながら、後で述べるよ うに読み手側が受け取れる情報量には限界があります。このため、研究概 要図をつくった後に、適切な情報量まで削る必要が出てくることがありま 5.研究の価値を伝えるメッセージをつくる 41