のような価値を感じる根拠となる情報を入れていく必要があります。 もしも提示したい価値や共感してもらえそうな価値が複数ある場合は、す べてを図で伝えるのは難しい場合もありますので、アピールしたい順に優 先順位付けをしておきます。例えば申請書の研究概要図を考える際に、「一 番いいたいのは研究目標の社会的インパクトで、次は計画の緻密さだけど、 可能なら研究メンバーの強みも入れたい」といった頭の整理をしておき、ラ フ案を考える際に実際に入れるかどうかを検討するようにします(ラフ案 については第3章で解説します)。 また、ここまでで筆者はターゲットが共感してくれる価値を考えること を強調してお話ししてきましたが、共感してもらえるかどうかにかかわら ず、あるいはターゲットがもともともっていた価値観を越えて認めてもら いたい研究の価値もあると思います。例えば、グラントの審査員は経済的 価値に関心がある企業関係者が多いけれど自分としてはこの研究の知的な 面白さもわかってもらいたい、学生はこの研究対象すら知らないけれど自 分としては知ってもらって価値を新たに感じてもらいたい、と思うことも あると思います。自分がアビールしたいと思う価値は、あなたの研究への 熱意の源泉になっている重要な価値ですのでぜひ提示してください。ただ し、グラントの審査基準に合致しない価値だけをアピールしても、採択に 至るのは難しいかもしれません。ターゲットの価値観を変えることも不可 能ではありませんが、簡単にできることではありません。コミュニケーショ ンの基本として、ターゲットの関心や要求に応えつつ、同時に自分が伝え たい価値も伝えていくというかたちがよいのではないかと思います。 40 申請書・論文で役立つグラフィカルアブストラクト作成の基本とコツ