背景知識のより少ない読み手にも伝わるよう見せ方を工夫する必要が出て きます。読んでほしい読み手をできるだけ具体的にイメージすることで、何 を描くべきかが考えやすくなります。 ③プレスリリースなどの場合 プレスリリースや広報の場合は、ターゲットは多様です。この場合注意 するのは、メインターゲットをできるだけ具体的に絞るということです。筆 者は図の制作依頼を受ける際によく、「非専門家向けの図にしたい」「市民 にみてもらいたい」といわれることがあります。しかしながら「非専門家」 や「市民」はターゲットにするにはあまりにも広いです。高校生とビジネ スマンと老後を過ごす高齢者の価値観はそれぞれ異なりますし、研究者で なくとも専門家並みの知識をもっている人もいます。実際、「中高生もター ゲット入りますか?」「関係ない職種の人も入りますか?」と聞いていくと、 「いや、入らないです」という返事が返ってくることが多いです。無意識の レベルで、もっと狭いターゲットを想定しているのです。 そこで、ターゲットは例えば「市民」ではなく、この分野の政策にかか わる政府関係者、〇〇業界企業の開発担当者などより具体的に絞り込み、そ のなかの具体的な人物(代表的な人物像)まで想像するようにすると、ど んな関心をもっているのか、どの程度の専門性があるかが推測しやすくな ります(図2-2)。具体的な人物は知っている人でもいいですし、こういう 人がいるのではないかという想像でも構いません。人物まで想像できない 場合でも、できるだけ具体化することで、ターゲットの関心に寄り添いや すくなります。 32 申請書・論文で役立つグラフィカルアブストラクト作成の基本とコツ