COLUMN ① この点は、少し離れた分野の研究者や非専門家に向けたコミュニケーショ ンをする際に注意する必要があります。普段利用していない図を見せられ ても、図の読み方自体わからないことがあるためです。人は慣れ親しんだ 図の形式をわかりやすいと感じる一方で、見慣れない図の表現や形式は、受 け入れにくい傾向があります。情報を効果的に伝えるためには、ターゲッ トが慣れている表現や、好んでいる表現の図を使う必要があります。 具体的にいえば、もしもターゲットが政府関係者ならば、情報量の多い お役所ポンチ絵のような図を入れたほうが、シンプルな図よりも価値を感 じてくれる可能性があります。企業関係者ならば、ビジネスでよく使われ るマトリクス図やピラミッド図のような図解を期待しているかもしれませ ん。ターゲットがそもそも図を好まない分野の研究者ならば、図を入れず に文章で勝負した方がいいこともあります。 自分にとってわかりやすい図が、他人にとってもわかりやすいとは限ら ないということは、図をつくる難しさの1つです。図を入れるかどうかを 考える際や、図の型や表現、情報量を考える際には、同じ媒体に掲載され たほかの図などを参考にしながら、ターゲットがどのような図ならば評価 してくれるのかも考えていく必要があります。 26 申請書・論文で役立つグラフィカルアブストラクト作成の基本とコツ