感じたならば、申請書の採択や論文へのアクセスなど次の行動につながる 可能性があります。もちろん最終的にその研究にどのような価値がどれほ どあるのかを判断するのは、研究者自身ではなく、読み手の人たちです。し かし、限られた時間・コストのなかで的確に研究を評価してもらうために は、単に研究内容を示すだけでは不十分で、研究者自身が考えた研究の価 値も伝えていく必要があると考えています。 ここでいう価値は、学術的価値や経済的価値だけでなく、社会的価値、単 純におもしろいといった知的価値も含まれます。本書では、読み手が共感 できる研究の価値を伝えるにはどうしたらいいのかという観点から、研究 概要図のつくり方を考えていきます。具体的にどうしたらいいかは、本書 を読み進めながら一緒に考えていただければと思います。 3 よい研究概要図が増えることのメリット よい研究概要図は、研究者の研究アビール力を強化し、研究の価値を理 解する人を増やしてくれます。これは研究者個人にとってメリットがある ことはもちろん、社会的にもメリットがあります。 ①適正な研究評価 1つは、適正な研究評価につながる可能性があることです。世界中で大量 の情報がせめぎあうなかでは、学術的・社会的に価値のある研究計画や論 文でもそのままでは埋もれてしまう可能性があります。アメリカのように 研究のビジュアル戦略にもコストをかける国があるなかでは、文字のみ、あ るいは拙い図だけでは研究本来の価値に合ったインパクトを与えられない 可能性があります。効果的な研究概要図がないという理由で、社会にとっ て価値のある研究の知名度や評価が下がってしまうことがあるのだとした ら問題です。英語が拙いという理由で非ネイティブの論文のアクセブト率 が下がってしまう 5)のと同様、図の見た目が拙いという理由で研究のイン パクトに極端に大きな差がつくという状況は、できるだけ解消していく必 要があります。 4.よい研究概要図の3つの条件 23