このように多様な研究概要図ですが、共通する特徴としては、最先端の 研究内容を伝えるという点で、教科書などの図よりも内容が高度になりや すい傾向があります。さらに結果やモデルなどを組み合わせた複合的な図 になることが多いため、図案をわかりやすくまとめる難易度も高いといえ ます。 2研究概要図はどこで使われているのか 研究概要図が使われる場面は、申請書や報告書、学術ジャーナル、プレ スリリース、学会発表や講演など多様にあります。 申請書の場合は、複雑な研究計画の全体像を示した図として研究計画調 書のページに掲載されます。申請書が採択された場合には、広報媒体や報 告書などにも掲載されることがあります。 また、最近広まっているのがジャーナルのグラフィカルアブストラクト です。本書の読者のなかには、論文採択後にジャーナル編集者からグラフィ カルアブストラクトを提出するよう指示を受け、研究内容をどう表現すれ ばいいのか迷いながらつくって提出したという経験をもつ人もいるかもし れません。多くのジャーナルは、論文検索時の読者のブラウジング補助や 理解のツールになることを期待してグラフィカルアブストラクトを採用し ています。掲載されるのは主にオンラインジャーナルの目次ページや個々 の論文ページなどです。 その他、研究のプレスリリースでも研究概要図は頻繁に使われます。この 場合は、論文成果や研究発表の成果をメディアや研究者以外のより広い読 者層に伝えるために、タイトルやリード文の下に大きめのサイズで掲載さ れることが多いです。 10 申請書・論文で役立つグラフィカルアブストラクト作成の基本とコツ