第1章●なぜつくる必要があるのか:研究概要図の役割とゴール なぜ今、研究概要図が 求められるのか 1研究概要図とは 本書のテーマは研究概要図やグラフィカルアブストラクトです。聞いた ことがあるという人もいれば、なんとなく予想はつくけどはじめて聞いた という人もいるかもしれません。そもそも研究にかかわる図は多様です。実 験結果を示す画像やグラフ、モデル図やフローチャートなどの概念図、回 路図、設計図などのテクニカルな図や、組織図やスケジュール表などもあ ります。さまざまな種類の図があるなかで、本書はどのような図に注目す るのでしょうか。 研究概要図とは、研究計画や研究成果の概要を1枚にまとめた概念図の ことです。研究概要図のよび方は1つではなく、概略図や概念図、コンセ プト図とよばれる場合や、申請書であればポンチ絵とよばれることもあり ます(図1-1A)。また、ジャーナルに掲載される論文成果の概要図はグラ フィカルアブストラクトとよばれます(図 1-1B)。同じようなものを、ビ ジュアルアブストラクト、セントラルイラストレーション、グラフィカル サマリー、TOC(table of contents)、TOC イメージ、グラフィカ マリー、あるいはインフォグラフィックスなどとよぶこともあります。さ らに、グラフィカルアブストラクトとは別に、ジャーナル論文のなかの1つ の図として論文での主張概要をまとめた図が掲載されることもあります。こ のような図はサマリーフィギュアとよばれることがあります。 このように研究概要図はよび方が多様であることに加え、定義も図の内 容も人や分野によって少しずつ違います。国内外ともに明確な合意はない のですが、本書では研究計画や論文といった特定の研究の概要をまとめた 8 申請書・論文で役立つグラフィカルアブストラクト作成の基本とコツ