--- title: "1 研究概要図を最大限活用する方法" book: 申請書・論文で役立つグラフィカルアブストラクト作成の基本とコツ chapter: 第6章 一度きりではもったいない:別メディアへの展開 section: 1 pages: 156-158 images: page_0156.png ~ page_0158.png keywords: ["メディア展開", "SNS", "再活用"] --- ## 1 研究概要図を最大限活用する方法 ### 研究概要図の展開を考える これまで説明した通り、研究概要図は、論文や研究概要をすばやく理解してもらうのに効果的です。また、研究概要図をつくるにはそれなりに労力がかかります。せっかくつくった概要図ですので、一度きりではなく、活用していくことも考えてみてください(図6-1)。 > **図6-1 研究概要図の活用例** > > 研究概要図の活用先として、以下が挙げられている: > - 論文リスト > - 学会発表 > - 各種イベント(講演会・シンポジウム等) > - SNS(X・Facebook・Instagramなど) > - 広報物(パンフレット・動画・記事等) > - 報告書 > - 業績ページ(研究者のウェブサイトや研究者データベース) ### (1) 申請書の研究概要図は広報や報告書へ 申請書の研究概要図の場合は、研究計画やその研究の強みが初めて説明を読む人にもわかりやすくまとめられています。申請書が採択された場合は、その研究を知らないさまざまな人へ発信・広報する際に使えます。具体的には学会や講演会などのスライド資料やポスター発表などでの利用や、そのプロジェクトで企画したシンポジウムやワークショップなどの各種イベントなどでも活用することができます。ほかにも、ウェブサイトやパンフレット、動画、紹介記事、報告書などに掲載することができます。 ### (2) グラフィカルアブストラクトはSNSへ ジャーナルに提出するグラフィカルアブストラクトの場合は、著作権上の問題がなければ、学会や講演会での活用のほか、プレスリリースのウェブページやPDF、XやInstagramなどのSNSに掲載することで論文の成果発信を強化することができます。プレスリリースや広報用につくった研究概要図も同様に再活用できます。特に、研究概要図はSNSとの相性がよく、テキストのみの投稿と比較して図ありのポストはインプレッション(ユーザーのタイムラインに表示された回数)や引用、「いいね」などの反応を大幅に引き上げることができるということが、これまでの調査からわかっています(参照 第1章-3)。実際、図があるとタイムライン上で目に留まりやすく、ぱっと見でも研究内容がイメージできるため、「いいね」を押すなどのリアクションをとりやすいという印象があります。投稿が拡散されるとより多くの人の目にとまりますので、研究のインパクトを高めるため、SNSなどへの投稿を行ってみましょう。ただし、SNSへの投稿は注意も必要です。研究者以外のさまざまな人が見るとなると、予期しない反応(誤解や炎上)が生じる可能性があるためです。特に社会的にインパクトのある研究の場合は、基礎的な研究であっても「もう実用段階である」「病気が完全に治せるようになった」などと解釈をされてしまうこともあります。投稿する際には、一般の人からどのように受け取られる可能性があるか、よく検討するようにしてください。 ### (3) 掲載可能ならば長く残るウェブサイトやデータベースへ SNSなどの発信活動がひと段落したら、可能であればご自身や所属組織のウェブサイトの業績ページや、研究者データベースなどに掲載するとよいでしょう。論文の書誌と一緒に研究概要図がアップロードされていると、論文読解のトレーニングを受けていない政策関係者や企業関係者、異分野の研究者などにとってあなたの研究を理解するよいヒントになりますし、あなたの研究に関心をもった学生や就活生、さらには論文へのアクセス権をもっていないメディア関係者などにとってもありがたい資料になる可能性があります。