--- title: "2 タイトルと見出しで内容を予告する" book: 申請書・論文で役立つグラフィカルアブストラクト作成の基本とコツ chapter: 第4章 図の中身を整理する:ラフ案のブラッシュアップ section: 2 pages: 84-86 images: page_0084.png ~ page_0086.png keywords: ["フォント", "情報整理", "レイアウト", "視認性"] --- ## 2 タイトルと見出しで内容を予告する ### 1 図の全体のタイトルを入れるかどうかを考える 人は情報を理解する際、これから読もうとしているものに関する情報があらかじめわかっていると内容の理解が促されます。このため研究概要図にも何かしらの形で予告をしてあげると理解が高まります。 図全体のタイトルは、図のテーマや核心的な内容を一文で表現し、読み手に対して「この図は何についてのものか」を予告するものです。図にタイトルを入れることで、読み手は内容を予想しながら読むことができ、理解が促されます。 図にタイトルを付ける場所としては、**図の外枠の近辺**(通常は上部)にキャプションとして入れる方法と、**図の内部**に入れる方法があります。論文のジャーナルアーティクルの場合は図の外枠にキャプションを入れるのが一般的ですが、グラフィカルアブストラクトやSNSなどにも展開する図の場合は、図の内部にタイトルを入れた方が、どこにシェアされても内容がわかります。 > **図4-3の構成:** タイトルのないレイアウトとタイトルのあるレイアウトの比較。 > - **全体タイトルのないレイアウト**:4つのパネル(A sample, B analysis, C analysis, D result)が並ぶ図。内容の予告がなく、読み始めるまで図のテーマがわからない > - **全体タイトルのあるレイアウト**:同じ4パネル構成の上部に「What is an effective diet method?」というタイトルが追加されている。図のテーマが一目でわかる > > **ポイント:** タイトルを加えることで、読み手が事前に内容を予測でき、理解が促進される。特に図だけがシェアされる場合はタイトルの有無が大きな差を生む。 タイトルを入れるかどうかは、図の使い方によります。論文の場合は本文と一緒に読まれることが想定されるため、図の外に本文やキャプションでの説明がありますが、グラフィカルアブストラクトの場合は、図だけで完結して理解できるよう、タイトルを入れた方がよいでしょう。同様に、申請書の場合は本文も読んでもらえることを前提としつつ、図内にタイトルを入れることで、流し読みでも理解しやすくなります。 ### 2 図内のグループに見出しを入れる 研究概要図の内容は、いくつかのまとまりに分かれていることが多いです。そのなかの個別のまとまり(グループ)に対して見出しを入れることで、読み手はそのグループの内容を予測しながら読むことができます。 > **図4-4の構成:** 見出しのないレイアウトと見出しのあるレイアウトの比較。 > - **見出しのないレイアウト**:人物アイコンと矢印、パネル(A analysis, B analysis)で構成。各グループの内容が一見してわからない > - **見出しのあるレイアウト**:同じ構成に「Survey」「Analysis」などの見出しが追加され、各グループの役割が明確になっている > > **ポイント:** 見出しを加えることで、各グループの情報の一般的な位置づけが予告され、内容の理解が促される。 見出しは、実験方法や結果などのその情報の一般的な位置づけのフレーズを入れる場合と、内容を反映したフレーズを入れる場合があります。例えば「背景」「方法」「結果」といった文言が入ります。内容を反映したフレーズの場合は「〇〇の課題」といった文言が入ります。内容を反映したフレーズの場合は「本研究の背景」などよりは「〇〇の課題」のような方が予告として効果的です。 見出しもまた、必ずなければいけないわけではありません。スペースの都合で入れられない場合は無理に入れなくてもよいですし、見出しがなくても読めるのであれば必ずしも必要ありません。見出しの効果は、内容がわかりにくい場合ほど大きいので、迷ったら、見出しを入れてみて効果を確認してから決めるとよいでしょう。図のスペースに余裕がない場合は、フォントを小さくしたり、応じて入れるかどうかを判断してください。