--- title: "4 レイアウトがうまく考えつかないときには" book: 申請書・論文で役立つグラフィカルアブストラクト作成の基本とコツ chapter: 第3章 戦略をかたちにする:ラフ案の原案作成法 section: 4 pages: 65-67 images: page_0065.png ~ page_0067.png keywords: ["ラフ案", "レイアウト", "テンプレート"] --- ## 4 レイアウトがうまく考えつかないときには レイアウトをどう考えていいのかわからない場合は、多くの研究に当てはまる、基本型の3パネルで考えはじめるとよいと思います。基本型とは具体的には以下があります。 ### (1) 申請書の場合(図3-10) 1. **課題:** 背景として解決すべき課題を提示 2. **提案:** 解決方法としての研究方法 3. **効果:** 研究を実施することで期待される効果 > **図3-10の構成:** 横3分割の均等パネル。左から「課題」「提案」「効果」と配置。各パネルは同じ大きさで、濃い青のヘッダーバーにラベルが入っている。 > **ポイント:** 申請書の最も基本的な構成。迷ったらまずこの3パネルから始める。 ### (2) グラフィカルアブストラクトの場合(図3-11) 1. **方法:** 研究の方法(実験方法・分析方法・実験材料の説明など) 2. **結果:** 得られたデータや結果の説明 3. **理論:** 結果が示唆するメカニズムや理論など > **図3-11の構成:** 横3分割の均等パネル。左から「方法」「結果」「理論」と配置。各パネルは同じ大きさで、濃い青のヘッダーバーにラベルが入っている。 > **ポイント:** 論文の基本構成(Methods→Results→Discussion)に対応した3パネル。 ### (3) プレスリリースなどの場合(図3-12) 1. **前提・課題:** 研究に関する基本的知識や解決すべき課題 2. **方法・結果:** 研究方法や得られたデータ・結果の説明 3. **主張・効果:** 結果が示唆するメカニズムや理論、社会への影響 > **図3-12の構成:** 横3分割の均等パネル。左から「前提・課題」「方法・結果」「主張・効果」と配置。各パネルは同じ大きさで、濃い青のヘッダーバーにラベルが入っている。 > **ポイント:** プレスリリースでは一般向けの「前提」説明と社会的「効果」が重要になる。 ### パネルの調節方法 作業としては、まずは画面(紙面)に3つのパネルを置いて「課題」などの見出しを入れたあと、それぞれのパネルの中に短い箇条書きでそのトピックに当てはまる内容を記入してください。この際、ターゲットとメッセージを意識し、できるだけターゲットにメッセージが伝わるように書き込んでください。 箇条書きで書き出しながら、それぞれのトピックを説明するのに必要なパネルの大きさや、そもそもそのトピックが必要かどうかを考えます。もしも申請書の基本形で「課題」と「効果」にはあまり書くことがない一方で「提案」はスペースが足りないという場合は、「提案」パネルを大きくしたうえで、「課題」や「効果」は1行分のみに縮小したり、「課題」と「効果」を省略して1パネルのレイアウトに変えたりします(図3-13)。もしもグラフィカルアブストラクトで「方法」と「結果」はあまり必要がなく「主張」には2つの実験の対比の情報を入れたいということであれば「方法」と「結果」は省略し、「主張」のパネルを分割して対比型の2パネルに変えます。3パネルというのはあくまではじめの手がかりなので、メッセージや内容に合わせてレイアウトをどんどん変えて問題ありません。もちろん3パネルのままでも大丈夫です。 > **図3-13の構成:** 2段のレイアウト変換例。上段:均等3分割パネル「課題」(地球温暖化の深刻化)「提案」(いつでも確認可能なリアルタイムモニタリング技術の開発)「効果」(地球温暖化の抑制へ)。下段:調節後のレイアウトとして、「提案」パネルが大きく拡大され「いつでも確認可能なリアルタイムモニタリング技術の開発」が中心に、「効果 地球温暖化の抑制へ」が1行に縮小されて下部に配置。「課題」パネルは省略されている。 > **ポイント:** 3パネルは出発点に過ぎない。内容のボリュームに応じてパネルの大きさを調節し、不要なパネルは省略・縮小する柔軟な対応が重要。 まずは自分のメッセージを伝えるのに必要なパネルの配分と大きさ、中身の箇条書きを整え、次の図の細部のレイアウト検討へ進んでください。