--- title: "1 ラフ案はなぜ必要なのか" book: 申請書・論文で役立つグラフィカルアブストラクト作成の基本とコツ chapter: 第3章 戦略をかたちにする:ラフ案の原案作成法 section: 1 pages: 50-51 images: page_0050.png ~ page_0051.png keywords: ["ラフ案"] --- ## 1 ラフ案はなぜ必要なのか ### 1 ラフ案とは何か ラフ案とは、つくろうとしている図にどんな情報をいれるのか、配置や大きさを描き出したものです(図3-1)。ラフ案をどれだけ完成形に近い形でつくるかは場合によりますが、ひとまずは鉛筆などで雑にレイアウトを描き出したものでかまいません。最低限、テキストとそのサイズ・位置、イラストやアイコン、図などの要素や記号のサイズと位置がわかれば問題ありませんし、自分が理解できる程度になっているならばきれいに描く必要もありません。ラフ案で重要なことは、どの要素がどういう大きさでどこに配置されるのかという構造が定まることです。色や画風は考えず、イラストやアイコンの部分も、とりあえず丸や四角などの図形を仮置きしておいて、後の本制作の際に素材などに入れ替えれば大丈夫です。 > **図3-1の構成:** 手描きの鉛筆スケッチによるラフ案。Condition1/Condition2の2条件、Gene1/Gene4、repressor、Transcription、ProteinA/ProteinB/ProteinC、inflammationなどの要素が丸や四角の図形と矢印で配置・接続されている。 > **ポイント:** きれいに描く必要はなく、要素の配置と構造が把握できれば十分。色や画風は考えない段階。 ### 2 「ありあわせの図」をつくらないために ラフ案づくりで重要なのはメッセージに合わせて入れるべき情報を考えることです。多くの研究者は、図案を考える段階に入ると過去のPowerPointのスライドを取り出してきて、そこにある過去につくった図を新しいファイルにコピー&ペーストするところから作業をはじめます。過去の図の使いまわし自体は問題ありませんし、労力削減から考えても活用はすべきと思います。ただ、過去の図を用意してから図案を考えはじめると、どうしても過去の図やその要素をどう使いまわすかというところに気をとられてしまいます。その結果、メッセージやターゲットに合わない「ありあわせの図」になりやすくなります。 そうならないためにまずやるべきことは、PowerPointを開く前に、紙の上で図の方針を考えることです。まずはPCを閉じて、鉛筆を持つことからはじめましょう。「いや、手描きが苦手なのでラフ案もどうしてもPowerPointでつくりたいんだ」という人は、新規作成でまっさらなスライドからはじめましょう。色やかたちに気をとられないようにするため、ラフ案はモノクロで作成し、イラストやアイコンなどの部分も作画や素材選びは後回しにして、とりあえず四角形や丸などで仮置きするようにしてください(図3-2)。 > **図3-2の構成:** PowerPointのスライド画面上に、モノクロのラフ案が作成されている。Condition1/Condition2、Gene1、repressor、Transcription、proteinA/proteinB/proteinC、inflammationなどの要素が四角形や丸などの基本図形と矢印で配置されている。 > **ポイント:** PowerPointで作成する場合もモノクロで、イラストやアイコンは四角形や丸で仮置きする。新規作成のまっさらなスライドから始めることが重要。