--- title: "1 伝わる図のカギは「コミュニケーション戦略」" book: 申請書・論文で役立つグラフィカルアブストラクト作成の基本とコツ chapter: 第2章 図の質は準備で決まる:コミュニケーション戦略の設計 section: 1 pages: 28 images: page_0028.png keywords: ["ターゲット", "メッセージ", "情報整理"] --- ## 1 伝わる図のカギは「コミュニケーション戦略」 あなたは何のために研究概要図をつくりますか。ジャーナルの編集者に提出を求められたから?申請書に入れるのが普通だから?もちろん、実際そういうことが理由になることもあると思います。でも、能動的な目的意識がないままに研究概要図をつくると、なんとなくそこに掲載されただけの、よくわからないピンボケした図になりがちです。 第1章-4のよい研究概要図の3条件のなかで筆者は、研究概要図の重要な役割の1つは読み手が共感できる研究の価値が、図を通じてわかることだと書きました。研究概要図の最終的なゴールが、理解の促進だけでなく研究に対してよい印象をもってもらうこと、そしてそこから申請書の採択や論文の引用、研究への支援につなげることにあるのだとしたら、読み手に研究の価値を伝え、共感してもらうことが重要になります。研究の価値を伝えるには、前提として読んでほしいターゲットとその関心を明確化することと、その研究の価値を明確化する必要があります。そのうえで、ターゲットに響く研究の価値とは何かを考え、その価値を伝えられるような図のメッセージを作成します。このターゲット設定とメッセージが、図によって誰にどんな影響を与えるのかという、研究概要図のコミュニケーション戦略の骨格となります。ここから各ステップをもう少し詳しくみていきましょう。