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title: "3 研究概要図は引用や読者拡大につながるのか"
book: 申請書・論文で役立つグラフィカルアブストラクト作成の基本とコツ
chapter: 第1章 なぜつくる必要があるのか:研究概要図の役割とゴール
section: 3
pages: 18-19
images: page_0018.png ~ page_0019.png
keywords: ["メディア展開"]
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# 3 研究概要図は引用や読者拡大につながるのか
研究概要図に対しては、研究への直接的なメリットを期待する声もあると思います。申請書の図については、多くの場合公表されていないため採択率との関係を調査するのが難しいのですが、グラフィカルアブストラクトについては、特に医学分野などの研究者がその効果に注目し、検証した研究が数多くあります。
では、グラフィカルアブストラクトは論文へのアクセスや引用数を増やすのでしょうか。ネガティブな研究結果としては、グラフィカルアブストラクトのダウンロードや抄録ビュー、引用数はグラフィカルアブストラクトがない方が多かったという報告1)や、グラフィカルアブストラクトの有無による引用や記事使用の数との相関はなく、結局は第一印象で注目を集めるのみであるとする研究2)などがあります。一方、ポジティブな研究結果としてグラフィカルアブストラクトを採用したジャーナルはインパクトファクターが大幅に増加したという報告3)もありますので、引用に対してプラスに働く可能性はあります。ただ、短期的な引用に関しては、グラフィカルアブストラクトの有無以上に論文そのもののインパクトや、同じテーマで論文を出す研究者の数の影響の方が大きい可能性があります。
一方で、より多くの読者を獲得するという意味では、グラフィカルアブストラクトは大きな力をもっています。なかでもSNSでのグラフィカルアブストラクトの影響はポジティブな研究結果がほとんどです。例えば、SNSのXの投稿にグラフィカルアブストラクトを掲載した投稿は、していない投稿と比べて出版社サイトへの記事訪問が2.7倍になったという報告4)など、グラフィカルアブストラクトが記事のインプレッションを向上し、アクセス数などのインパクトを高めるという報告が多数出ています。つまり、**グラフィカルアブストラクトは論文をより広い読者に知ってもらうこと、また、論文を実際に読むきっかけを提供することに対して効力を発揮する**と考えられます。
研究概要図は大量の情報のなかでも読者をひきつけ、円滑な理解を助けて記憶に残るのと同時に、公表される研究概要図であればSNSなどで活用することでより広い層の認知や関心を高める効果があります。あくまで概要なので研究の深い理解には至らないかもしれませんが、読者の本文読解や研究に対する評価など次の段階への誘導や、本文を読んだ後の理解の整理や記憶の定着に役立つ可能性があります。